生産現場のロボットたちⅡ 意外と知らない!?シリーズ5 | 自動化・省人化

生産現場のロボットたちⅡ 意外と知らない!?シリーズ5

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。 危険な仕事や大変な仕事、単純な仕事を人間の代わりにこなしてくれるロボットたち。メンテナンスは必要ですが、文句も言わず働いてくれる、大変頼れる存在ですよね。 飲食店ではロボットが料理を持ってきてくれたり、オフィスの床をロボットが掃除してくれたり。すっかり身近ですね。ちなみに我が家の床もロボットが掃き掃除から拭き掃除までやってくれています。 そんなロボットたちは生産現場でも大活躍しています。生産現場のロボットたちは配膳ロボットやお掃除ロボットとは全く違う見た目をしていますよ。様々な種類がありますが、本日はその中から「意外と知らない!?シリーズ」第5弾として、スカラロボットをご紹介いたします。簡単なご紹介となりますので、詳しく知りたい方は書籍などでお調べください。 垂直多関節ロボットとパラレルリンクロボットのご紹介はこちら まず、「スカラ」とは、どういう意味でしょう?あんまり聞いたことのない言葉のように思います。 これ、実は長~い名前の頭文字をとった言葉なんです。「Selective Compliance Assembly Robot Arm」の頭文字をとって、SCARA、カタカナ読みをして「スカラ」。そこにロボットを付けてスカラロボットです。ロボットが重複しているような気もしますが……。 そのスカラロボットはどういうロボットなのでしょうか。別名、水平多関節ロボットとも呼ばれており、水平方向にアームが動くロボットです。多くのスカラロボットは4つの関節を持ち、そのうち3つは水平方向に回転する関節で、残り一つは垂直に動かすことができる先端部分の関節です。 水平方向の関節で素早く正確に位置決めを行い、垂直方向の関節で真上から対象に対して押し込みやネジ締めをするといったイメージですね。 スカラロボットの特長としては下記3点が挙げられます。 ・構造がシンプル 垂直多関節ロボットと比較すると構造がシンプルな為、比較的コストを抑えられる傾向にあります。また、制御や操作、メンテナンスがしやすい点もメリットですね。 ・高速での水平方向移動 水平移動に特化している為、水平方向の動作であれば高速・正確・柔軟に行うことができます。また、垂直方向に変形しにくく、押し込みなどの力が必要な動作が得意なことも特長ですよ。 ・省スペース 関節それぞれの動作が限られており、コンパクトな構造の為、広いスペースを必要としません。既存のラインに新たにロボットを導入する場合など、広い場所を確保できなくても導入しやすいですね。 スカラロボットのメリットをご紹介いたしましたが、逆にデメリットはというと、垂直方向の移動が苦手なことです。しかし、垂直方向の移動が必要とされない環境や仕事であれば、上記のメリットを存分に活かしてしっかり活躍してくれますよ。 そんなシンプルながら頼れるスカラロボットはどこで生まれたのでしょうか。 実は……日本生まれなんです! それまでのロボットは大量生産品に向いており、少量生産には向いていませんでした。そこで、少量生産向けロボットとして1978年に山梨大学の牧野教授が考案し、産学連携のスカラ研究会によって開発・製品化が進められたそうですよ。 さて、常盤グループではスカラロボットはもちろん、それ以外のロボットを活用した搬送工程、組立工程、仕分け工程、検査工程などの自働化をご提案しております。 「気になる」、「一度相談してみたい」、「こんな自働化はできる?」という方は下記お問合せよりご相談ください!

第1回常盤産業プライベートセミナー開催結果 | その他

第1回常盤産業プライベートセミナー開催結果

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。 先日、2月20日にテックマン協働ロボット(以下、TMロボット)とフィンガービジョンロボットハンド(以下、FVハンド)についてのプライベートセミナーを開催いたしました。当日は午前午後合わせて10社22名と、当初の予定を大きく上回る数のお客様にご来場いただき、ありがとうございました。 セミナー概要と製品についての簡単なご紹介はこちら 当日は時間いっぱい大変多くのご質問をいただき、TMロボットにもFVハンドにも実際に触れながらご理解を深めていただきました。 ご参加いただいた方の感想の一部をご紹介いたします。 ・知っているつもりだったが、実物に触れてみると発見が多く勉強になった ・これらの製品を使用したソリューションに興味がわいた ・案件が出れば是非活用してみたい ・TMロボットのビジョンシステムは思っていたよりも多くの仕事ができると感じた さて、今回大盛況だった弊社プライベートセミナーですが、ご都合が合わずご参加を見送られた方やご案内が届かずご参加いただけなかった方もいらっしゃると思います。そのため、第2回の開催を検討しております。ご参加をご希望される方のご意見を是非伺いたい為、下記アンケートよりご意見をいただけますと幸いです。 また、今後も様々な製品やテーマでプライベートセミナー・展示会を開催していきたいと考えておりますので、他セミナー・展示会への参加ご希望についてもご意見をいただきたく、同じくアンケートよりご意見の送付をお願いいたします。 常盤産業プライベートセミナー・展示会ご参加希望アンケート 現在開催を予定・検討しているセミナー・展示会は下記の通りです。 ・防災展示会 内容:BCP対策に活用できる地震対策製品を始めとした企業向け災害対策製品 対象:安全管理ご担当者様、総務ご担当者様などを想定 場所:常盤産業 本社 ANNEX ・不二越社製協働ロボットセミナー 内容:テーマ『協働ロボット導入のポイント』 対象:ロボット選定のご担当者様などを想定 場所:株式会社不二越中日本支社 ・AI画像検査システムセミナー 内容:検査AI「MENOU」ご紹介 テーマ:『AI画像検査の活用』 対象:設計ご担当者様、生産技術ご担当者様などを想定 場所:常盤産業 本社 ANNEX ・オリジナル油圧展示会 内容:トキワシステムテクノロジーズのオリジナル油圧システムのご紹介 対象:油圧機器ご担当者様などを想定 場所:常盤産業 本社 ANNEX これらのセミナー・展示会にご興味のある方、または「開催予定にないがこんなセミナー・展示会を開いてほしい!」という方は是非下記アンケートよりご意見をお聞かせください。 常盤産業プライベートセミナー・展示会ご参加希望アンケート 2月のTMロボットとFVハンドについてのプライベートセミナーの様子については別途動画でご紹介予定です。 完成・アップロードされ次第本ブログでもお知らせいたしますので、お楽しみに!

立春に卵が立つ!?昭和22年の話題 | その他

立春に卵が立つ!?昭和22年の話題

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。 来たる3月22日は常盤産業の創立記念日です。今から77年前の昭和22年(西暦1947年)の3月22日に初代社長の清水八雄が名古屋市中区老松町で常盤産業を創立しました。創業当時の従業員は8名だったようです。 77年前というと、どんな時代だったのでしょうか。 まず、人々のファッションはどんな風だったのでしょう。この時期にはアプレ族と呼ばれるスタイルが流行し始めていたようです。「アプレ」というのはフランス語のaprès-guerre(アプレゲール、「戦後」の意)を短縮した言葉。 男性はリーゼントにサングラス、アロハシャツ、女性は袖なしの水玉模様ワンピース、これがアプレ族のファッションです。 他にもレインコートや、はき口がハート型のパンプス「アメリカン・ヒール」などが流行していました。 とはいえこの時期はまだまだ物資が不足している時代。手持ちの和服やモンペを洋服に作り替える「更生服」も多かったようですよ。 ではそんなファッションに身を包んだ人々をとりまく環境はというと、まずこの年に行われた臨時国税調査によると、日本の人口は7810万1473人。令和2年の国税調査結果1憶2614万6000人と比べると少なく感じますね。 しかしこの昭和22年の出生数は250万人超。いわゆる第一次ベビーブームです。昨年、令和5年の出生数が75万8631人ですので、この時代の勢いがわかります。 そんな昭和22年のことを調べていたらちょっと変わったニュースを見つけました。 なんと、卵が立春に限って立つ、というのです。お手元に卵がある方を試していただきたいのですが、丸っとした卵はころころ転がってしまい立ちません。それが立春の日には立つ、というウワサが世界を駆け巡っており、中国や米国で実際に立春に卵を立てることに成功した、とニュースになっていました。 中国の上海では多くの人が卵を立たせようと実験したため、卵の値段が12倍に跳ね上がる程だったようです。 日本でも中央気象台の技師さんたちが卵を立てる実験を行い、実際に10個もの卵を立てることに成功しました。 ところで、なぜ立春に卵が立つのでしょうか。実は立春以外でも立つのでは?でもあんなつるつるで丸っとした卵が立つことなんて想像できません。 これらの報道に疑問を感じ、北海道大学の中谷宇吉郎博士が徹底的に卵を調査しました。その結果、卵は立春に限らずいつでも立つことがわかりました。 卵の表面をよーく見てみると、細かなでこぼこがあります。このでこぼこの飛び出ている部分の内の3点によってできる三角形の中に卵の重心が上手く乗れば、立春でなくてもいつでも立つのだそうです。 頑張って挑戦し続ければ誰でも卵を立てられます。卵を立てることができない、立春にしか立たない、というのは人々の思い込みに過ぎなかったのですね。 どうでしょう?ちょっとだけ卵を立たせるチャレンジをしてみたくなりませんか?昭和22年の人々と同じように卵を立ててみてはいかがでしょうか。ちなみに卵のとがった方の先端を下にしても立たせることは可能みたいですよ。 常盤産業は人々が卵を立てようと奮闘していた昭和22年から今までお客様に満足を届ける、という同じ気持ちで仕事をさせていただいております。 これからもチャレンジを続けていく常盤産業を何卒よろしくお願いいたします。

油圧ってなに? 知ってるつもりシリーズ8 | 油圧

油圧ってなに? 知ってるつもりシリーズ8

こんにちは。常盤産業のブログ担当 田中です。 「油圧」というものをご存知でしょうか。お仕事で油圧を扱わなくても、油圧ジャッキや油圧ショベルなどは聞いたことがある方が多いと思います。 油圧ジャッキも油圧ショベルも大きな力を生み出すものですが、そもそも「油圧」ってなんでしょう?知ってるよ!という方もいらっしゃれば、そういえば良く知らないかも…?という方もきっといらっしゃいますよね。 ということで、今回は「知ってるつもりシリーズ」第8弾として、油圧についてご紹介いたします。簡単な紹介となりますので、詳しく正確に知りたい方は書籍などでお調べください。 油圧は「油」と「圧」で構成された言葉です。油はそのまま、あぶらですね。カタカナにするとオイル。機械の潤滑剤にしたりお料理に使ったり、美容の為に身体に塗ったりする油です。圧は押さえつけることです。「上司に圧をかけられる」とかの圧です。圧迫、とか重圧、外圧など。押さえつけて潰したり歪ませたり大きな力をかける意味ですね。カタカナにするとプレッシャーです。 油圧とは、油に力を加えて伝達し、その力をうまく利用して大きな力を生み出し仕事をさせる技術のことです。なぜ油に力をかけて大きな力を生み出せるのでしょうか。 容器に密閉された油に力を加えた時、発生した圧力がその油のすべての部分に等しく伝わります。どういうことかよくわかりませんね。 水風船を想像してください。その水風船に割れない程度に指で圧力をかけた時、力をかけた以外の全方向に同じように水風船は膨らみますよね。どこかに偏ったりはしないはずです。 水風船を押して発生した圧力が10だとすると、膨らんだ全ての部分に10の力がかかっています。10か所に1ずつ、ではなく、水風船の表面の全ての場所に10ずつかかっていますよ。 この性質、水だけでなく油でも同じなんです。 この性質と強い力を出せることにどんな関係があるのでしょうか。 油を右図のような小さな容器と大きな容器が繋がった形の密閉された容器に入れてみましょう。緑色が容器、黄色が油です。容器の上面は油の上にフタが乗っています。(あまり絵がうまくなく申し訳ありません。) 小さい容器のフタに上から力をかけてみます。赤い矢印を力だと思ってください。すると、油に圧力が発生し全体に均一に伝わる為、大きい容器のフタには面積が大きい分、沢山の圧力(矢印)が集まります。 例えば小さい容器のフタの面積が10で、大きい容器のフタの面積が50だった場合、加えた力の5倍の力を生み出すことができますよ。 この性質のことを「パスカルの原理」というそうです。そういえば物理の授業で聞いたような聞いてないような……。 ところで、水風船でもパスカルの原理が働くなら油でなく水でもいいのではないでしょうか。過去をさかのぼると、油圧はもともと水を利用した水圧から始まっているようです。万が一容器が破損して中身が「漏れ」ても水の方が片付けもかんたんですよね。 でも、そこには油の方が優れている理由もちゃんとあります。 水は金属でできた機械をサビさせてしまったり、温度変化で凍ったり沸騰したり、と扱いづらいのです。また、油は水よりもねっとりと粘性がありますね。この粘性によって圧力をかけても「漏れ」を少なくでき、比較的かんたんに圧力を上げられます。また油は潤滑も兼ねているので動く部分の摩耗も防ぐことができ、装置が長持ちしますよ。 こういった理由から、私たちの身の回りでは多くの油圧機器が働いているのですね。 さて、常盤産業では油圧の中でも工場内で活躍する油圧製品を主にご提案しております。 お客様のニーズにあわせて設計するオリジナル油圧ユニットから、エレメント・フィルタなどの油圧部品まで。 油圧ユニットや油圧部品についてのご相談は下記お問合せボタンより。お待ちしております。